捨てられない母と片づけたい父

父の悩みは「モノが多すぎる」

父が最近こぼした悩みは「洋服が多すぎて、どうしていいかわからない」こと。
母に聞いても「うーん」とはっきりせず、結局実家のあちこちには服の山ができている。
着る・着ないの判断は父にはハードルが高そうなので、私がチェックすることにした。


処分のつもりが…

サイズが合わなそうなワンピース、背中ジッパーの服――一目で「今は着ないな」とわかるものを処分用にまとめる。
が、全部自分の判断で捨てるのも気が引けて、母に一応聞いてみた。

「これは?」
「きついから着れない。あげるよ。」
「えー、いらないよー。」

断るとまたしまい込んでしまうから、形だけもらって自宅で処分することにした。


母の名言集

選別中、母から次々と“名言”が飛び出してくる。

  • 「着ないけど捨てるほどでもない」

  • 「穴があいてるけど、家で着る用にする」

  • 「ボロボロだけど必要な時があるかも」

  • 「サイズが合わないけど、誰かに着てもらいたい」

ゴムがのびたパジャマは「ゴムを入れ替えれば着られる」、
裾がほつれたパンツは「直せば大丈夫」。
――でも、ここ何年も針と糸に触っていないのでは?と思いつつ、私は黙って息をついた。


結論:「母に処分品など存在しない」

母にとっては、どれも「まだ使えるもの」。
そして“誰かのお下がり”や“フリマの掘り出し物”を持ち帰るのも大好き。
その結果、実家は洋服であふれかえっている。


父の暮らしやすさを優先に

次に実家へ行ったとき、母が昼寝しているすきに選別を再開。
知らない誰かの服の山を少しずつ仕分けていくと、あっという間にゴミ袋5個分に。
処分袋は目につかない場所に隠し、父に少しずつ出してもらう予定だ。
実家は階段の団地4階。無理せずゆっくりでいい。


私の本音

母の持ち物を勝手に処分するのは、ほんの少し罪悪感がある。
でも、今は家のことを父が主導している。父が過ごしやすい空間を整えることが、結果的に母の安心にもつながるはず。

スッキリ片づいた部屋で、気に入った洋服をすぐ手に取れる暮らし――
そんな毎日になれば、いつか母も「これでよかった」と思ってくれるだろう。


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